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中国サプライヤーとの取引で起きた品質トラブル|仕入れ担当者が見直したい3つのポイント

2026 5/25
コラム 事例、失敗例から学ぶ
2026年5月25日2026年9月25日

「こんなはずではなかった」と、思わず頭を抱える瞬間があります。

事前には図面を何度も確認し、仕様やデザイン、細かな部分まで打ち合わせを重ね、必要な情報も一通り伝えている。これなら問題ないと思っていても、いざ量産品が納品されると、事前には見えていなかった問題が一気に表面化することがあります。

今回、外箱を受け取った際、まさにその経験をしました。特に小規模工場と取引する際に起こりやすい「見えにくいリスク」が、よく分かる事例だったと思います。

今回の案件では、箱の天面・底面の正確なサイズと完成品の寸法をこちらから指定し、展開寸法については工場側で専門的に計算してもらいました。デザインや加工方法についても、こちらのカスタム仕様に沿って進めることを確認していました。ところが、実際に納品された商品を見ると、出荷基準を満たせない大きな問題が3つありました。

1つ目は、板材の厚み不足です。完成した箱は手で触ると明らかに頼りなく、十分な剛性がありません。強度が不足しているため、輸送中の衝撃や通常の保管にも耐えられる状態とは言えませんでした。

2つ目は、接合部分の仕上げの粗さです。台座と中枠の接合部分には目視できるほどの隙間があり、さらに板材が薄いことで、全体的な粗さがより目立っていました。商品としての完成度や高級感にも大きく影響します。

3つ目は、箱の内部に緩衝材や固定用の内装がまったくなかったことです。額縁を入れると左右に動き、輸送中にぶつかる可能性があります。これでは商品の破損リスクが高く、当社が想定していた文創商品のパッケージとしても適していません。

今回の工場についても、感情的に批判するのではなく、実際の取引を通して分かったことを整理しておきたいと思います。工場の社長は話しやすく、初期段階のコミュニケーションも丁寧でした。対応もよく、やり取りがスムーズだったことが、今回この工場を選んだ大きな理由の一つです。

しかし、実際の生産を進めると、コミュニケーションの良さだけではカバーできない問題が見えてきました。納期については何度も催促しなければ出荷が進まず、短納期になると品質が大きく落ちる傾向もありました。また、図面どおりに製造することはできても、製品の用途や材質、加工方法まで考慮した専門的な提案はほとんどありませんでした。材質や構造に問題があっても、工場側から事前に指摘されることはありませんでした。

さらに、量産前のサンプル確認、途中段階での仕様確認、品質チェックなど、基本的な品質管理のプロセスがほとんどありませんでした。結果として、量産品の品質を確認できるタイミングがなく、最終的には納品されるまで結果が分からない状態になっていました。

幸い、今回はまだ顧客への納品前だったため、クレームやブランドイメージへの影響は避けることができました。今回の箱についても、社内の品質基準を満たしていない以上、そのまま市場に出すことはできません。最終的には自社で処理し、発生した損失をこちらで負担することになりました。

今回の件を振り返ると、単純に「工場が悪かった」と考えるのは適切ではありません。購買側にも、事前に確認すべきポイントがありました。

まず、こちら側の問題です。初期段階では外観やサイズの確認を優先し、材質が製品用途に適しているか、必要な強度や加工精度を満たせるかといった点まで十分に確認できていませんでした。また、使用する材料の仕様や品質基準についても、工場と細かくすり合わせておく必要がありました。つまり、「図面とサイズを伝えれば、工場が適切に判断してくれる」という前提が甘かったわけです。

一方、工場側にも改善すべき点があります。依頼内容を受けた段階で、製品の用途や使用環境を踏まえて材料や構造を確認し、問題があると判断した場合には、量産前に購買側へ伝える必要があります。今回のように、材質や加工上の問題に気づかないまま、あるいは気づいていても確認せず、そのまま量産に進んでしまうと、最終的なリスクと損失を購買側が負うことになります。

中国仕入れでは、トラブルを完全になくすことは難しいですが、重要なのは「問題が起きないこと」だけではありません。問題を早い段階で発見し、量産前に止められる仕組みを作っておくことが重要です。

今回の件を受け、現在の在庫については、内部に補強材を追加し、緩衝材を入れるなど、手作業で可能な範囲の改善を進めています。できるだけ製品の見た目と強度を改善し、今回発生した損失を最小限に抑えるためです。

中国メーカーとの取引でお悩みのことがございましたら、
ぜひお気軽に弊社のお問い合わせ窓口までご連絡ください。

当サイトの記事は、スタッフが一つ一つ時間をかけて丁寧に執筆しております。
使用や転載をご希望の場合は、事前にお問い合わせフォームよりご連絡ください。無断転用・転載はご遠慮いただきますようにお願いいたします。

同時に、今後の新規・既存サプライヤーとの取引について、いくつかのルールを見直しました。

まず、量産前の落下試験を必須にします。初回生産では、同じ仕様の製品について落下試験を行い、その結果を確認してから量産に入ります。強度や破損リスクを事前に確認することで、材料の厚み不足や構造上の問題を早い段階で発見することが目的です。

次に、量産前の「封样(最終承認サンプル)」を徹底します。量産開始前に双方で最終サンプルを確認し、仕様を確定します。双方が確認したサンプルを基準として保管し、その後の量産品の検品・受入基準も、この承認サンプルを基準にします。これにより、「サンプルと量産品が違う」「量産時に材料や加工方法が変わっている」といった問題を防ぎやすくなります。

さらに、今後の契約書には、材料・加工・構造に関する「事前確認・変更連絡」の条項も設けます。生産途中で、材質や加工方法、構造について不合理な点や製品用途に適さない点が見つかった場合、工場側は独断で生産を続けず、まず購買側へ連絡し、双方で対応方法を確認したうえで生産を再開する、というルールです。

「社長がいい人だから大丈夫」「担当者と仲がいいから問題ない」という人間関係だけに頼るのではなく、確認事項や品質基準をできるだけ書面に残す。中国サプライヤーとの取引では、こうした仕組みづくりが非常に重要です。

中国の工場との取引では、納期、価格、品質、コミュニケーションなど、さまざまな要素を同時に管理する必要があります。特に小規模工場の場合、担当者の経験や管理体制によって、対応品質に差が出ることもあります。そのため、単に「話しやすい」「レスポンスが早い」という理由だけで判断するのではなく、実際の生産管理や品質管理の仕組みまで確認することが大切です。

今回の経験から改めて感じたのは、サプライヤー選定で重要なのは「人柄」だけではないということです。契約前には工場の実績や設備、品質管理体制を確認し、量産前には承認サンプルを確定する。そして量産に入った後も、必要に応じて中間検品や抜き取り検査を行う。

一見すると、こうした確認には余計な時間がかかります。しかし、中国仕入れでは、量産後に問題が発覚すると、修正・再生産・返品・追加輸送など、かえって大きなコストと時間が発生します。

「問題が起きてから対応する」のではなく、「問題が起きる前に確認する」。

中国サプライヤーとの長期的な取引を考えるなら、価格や納期だけでなく、どこまで品質管理とリスク管理を仕組みとして作れるか。ここが、安定した仕入れを続けるための重要なポイントだと思います。

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