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中国取引トラブルの裏側にある、中国メーカーとの向き合い方――飴とムチから学ぶ考え方

2026 1/08
コラム 事例、失敗例から学ぶ 仕入ノウハウ 仕入知識 現地レポート
2026年1月8日

なぜムチだけでは通じない?中国ビジネスにおける「飴とムチ」

私は最近、中国メーカーとのやり取りの中で、とても不安や戸惑いを感じることが多く、品質管理の難しさに日々苦労してきました。
また、今回気づかされたことや、現場を実際に目で感じたことを踏まえ、本稿を書かせていただきます。
少し踏み込んだ感想かもしれませんが……..

中国メーカーと付き合ううえで、品質管理は本当に難しいものです。
「10センチで作ってください」と頼んだのに、出来上がったものは15センチ。
「きれいに包装してください」とお願いしても、届いたのは綺麗ではない状態の商品です。

正直、「いったいどんな発想なんだろう?」と疑問に思ってしまいます。
私自身も中国人ですが、それでも理解に苦しむことは少なくありません。

そんなとき、ふと思い出した言葉があります。
それが「飴とムチ」です。

実は私、中国にいた頃はこの日本語を知りませんでした。
調べてみると、中国語の「恩威并施」「软硬兼施」と、とてもよく似た考え方だと分かりました。

ネットで「飴とムチ」を検索すると、
「小学校低学年の子どもをどう教育するか」「子どもが言うことを聞いてくれない…」、また、「ワンちゃんのしつけに『飴とムチ』は効果がありますか?」
このように、子ども向けの教育や、理解してもらいにくい相手を対象とした文章が多く登場します。

今回はこの「飴とムチ」という考え方を、中国メーカーとの付き合い方に当てはめて考えてみたいと思います。

「飴とムチ(褒美と罰)」とは(ネットで調べた説明です)
人は「飴とムチ(褒美と罰)」によって行動を律すると言われています。それを与える主体が、国家であれ、組織であれ、あるいは神であれ、本質的な違いはありません。「飴」と「ムチ」を適切に使い分けることで、人の行動はある程度コントロールできます。

つまり「飴とムチ」とは、
望ましい行動をしたときには飴(報酬)を与え、望ましくない行動をしたときにはムチ(注意やペナルティ)を与える、という考え方です。
一見、簡単に思えます。
では、中国ビジネスにおいて、ムチを与えすぎるとどうなるでしょうか。
写真のとおり、工場から届いた商品は外箱がボロボロで、内箱まで破損していました。汚れや割れ物も大量に混入している状態でした。

日本注文側から

「試作をきちんと作らないなら、量産注文はしません」
「品質問題があるので返品します」
「支払いません。もう取引しません」

これは、中国メーカーに対して、注文側がよく使いがちな“ムチ的な言い方”です。
しかし、その結果として返ってくるのは、また不良品。
そして最終的には、
「もう注文はいりません。他の会社に頼んでください」
と、突然オーダーを切られてしまいました。

弊社の中国検品スタッフ コウスゲは、次のように言っています。

「検品のとき、もちろんムチは少し使います。でも、飴のほうが多いです。」

多くの中国メーカーは、すでにアメリカやヨーロッパから多くの注文を受けています。
特に日本からの注文は、要求水準が高い、手間がかかる、不良品率やクレームへの対応負担が大きい、その割に、利益はそれほど高くありません。

試作を何度も繰り返し、結局注文につながらないこともあります。
効率や全体バランスを考えると、
横行な態度やムチばかりの言い方をする顧客は、
メーカー側から「切られやすい」存在になってしまいます。
特に、まだ信頼関係ができていないメーカーには要注意です。

ムチを使うといっても、怒鳴ったり、罵倒したりすることではありません。

大切なのは、「悲しむ」「落胆する」という姿勢です。

例えば仕事の場面で、
メーカーが期限を守れなかったとします。
ここで叱ることも必要ですが、
「とても残念だった」と気持ちを伝えることで、
中国メーカーは「期待を裏切ってしまった」と感じるようになります。

本来、「飴とムチ」は、上位の者が下位の者をコントロールする文脈で使われてきました。
しかし、今日では中国仕入れ先との関係においても使えます。
ただしそこには、「支配する」というニュアンスはありません。
あくまで、「良い関係をどう築くか」という視点です。

ルールを守ってもらえないときは、ムチを使います。
しかし、ずっと悲しんでばかりいると、空気が重くなってしまいます。
反省の色が少しでも見えたら、すぐに飴を出す。
嫌な空気を引きずらないことが、とても大切です。

弊社の検品スタッフ コウスゲは、このようにも言います。

「飴を与えるのは、子どものしつけと同じです。
飴とムチ、どちらが多いかといえば、圧倒的に“飴”です。
小さな努力でも、たくさん褒めてあげてください。」

中国メーカーにとって本当に嬉しいのは、
実は“利益を多くもらうこと”だけではありません。
「認めてもらえた」「喜んでもらえた」という実感です。

たとえ買い手から見れば小さな改善でも、
それをしっかり認め、言葉にして褒めることで、
「次も頑張ろう」と思ってもらえるのです。

「飴のほうが多い」と聞いて、
中国との取引経験が長い日本企業の担当者ほど、不思議に思うかもしれません。

もし、どうしても自社に合わない仕入先だったとしても、
少なくともオーダーと納品が無事に終わるまでは、
“飴を与え続ける”ほうが良いしれません。

中国企業は、とても「メンツ」を重視します。
「謝謝(ありがとう)」
「あなたのおかげです」
といった言葉を、惜しまず伝えることが大切です。

「飴とムチ」は、中国メーカーとの関係において、非常に使える考え方です。
その意味を正しく理解し、優しさと厳しさのバランスをうまく使いこなすことができれば、より良い取引関係・人間関係を築くことができるはずです。

今回は、日本企業が知っておきたい中国メーカーとの付き合い方について書かせていただきました。
本記事の内容は、弊社の検品スタッフ・コウスゲの話をもとにまとめたものです。

「飴とムチ」のさじ加減は、中国と取引のある日本企業のご担当者にとって、難しく感じられることも多いかと思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

中国メーカーとの取引でお悩みのことがございましたら、
ぜひお気軽に弊社のお問い合わせ窓口までご連絡ください。

当サイトの記事は、スタッフが一つ一つ時間をかけて丁寧に執筆しております。
使用や転載をご希望の場合は、事前にお問い合わせフォームよりご連絡ください。無断転用・転載はご遠慮いただきますようにお願いいたします。

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