先週にEV大国の中国出張に行ってきました。電動自転車の普及率が想像以上なだけでなく、様々な面で衝撃を受けましたので今回は、その体験をコラム形式でまとめてみました。
電気自動車の普及が進む中で、中国現地での実際の体験から得られるリアルな情報を通じて、読者の皆様に現地事情をより身近に感じてもらえることを願っています。
本記事では、中国出張中に電気自動車タクシーを利用し、杭州と蘇州で遭遇したトラブルをレポートします。EV化の裏側にある現実を共有します。
概要
中国は現在、世界で最も電気自動車(EV)が普及している国であり、特に都市部では電気自動車が多く走っています。タクシーのほとんども電気自動車に切り替わっているほどです。中国ビジネスでは、儲かる事業があると多くの企業が参入し、業界内で激しい競争が起こることがよくあります。電気自動車業界もその例外ではなく、多くのローカルメーカーが次々と参入し、淘汰されていきます。最終的に残るのは、資本力のある企業だけです。その中の一つがBYDです。
杭州での出来事
最初の出来事は杭州でのことです。友人との夕食の約束があり、杭州駅からタクシーで20分ほど離れたレストランに向かっていました。乗車していたのは3人で、タクシーは古めかしい電気自動車でした。レストランまであと5分というところで信号待ちしていた際、青信号に変わっても車が動きませんでした。運転手に「青信号ですよ」と声をかけると、運転手のお兄さんが「ごめん、この車バッテリー切れみたいだから、別のタクシーに乗ってくれない?」と言われました。
その時、信号に近づいたときに感じた振動を思い出し、道がデコボコしているのかと思っていたら、実は車自体に問題があったようです。幸い、後ろに車が並んでいなかったので運転手は再起動を試みました。私は助手席に座りながら、サイドミラー越しに後ろから車が来ないか確認し、車を降りる必要があるか判断しようとしていました。そして、突然ダッシュボードの液晶が点灯し、車が復活。無事にレストランに到着しましたが、その後のタクシーがどうなったかは分かりません。あの瞬間、中国の電気自動車への信頼を失いかけましたが、今振り返るとバッテリー切れではなく、電気回路の問題だったのかもしれません。
前半は一旦、ここで締めたいと思います、続きは後編へ…….