新年あけましておめでとうございます。
「B’zは最高、かっこいい!」と盛り上がった2025年の日本紅白歌合戦が終わり、新年の余韻にまだ浸っております。一方で、中国春節聯歓晩会(中国紅白)もいよいよカウントダウンに入りました。今回は、中国春節聯歓晩会のスポンサーシップの変化を通じて、中国経済について書いていこうと思います。
まず、前編では2024年の中国春節聯歓晩会(以下「春晩」)を振り返り、そのスポンサー構成から中国経済の動向がどのように反映されているのかを探ります。
中国時代を象徴するスポンサーの顔ぶれ
春晩は中国で最も視聴されているテレビ番組であり、春晩CMは成長が期待される業界や中国経済の動向を予測する際に参考となる指標ともいえます。
2024年、春晩CMに登場した広告主はさらに増加
急成長を遂げている新エネルギー自動車やスマートフォンといったハイテク産業、eコマース、SNS業界、さらに衣類、日用品、飲料といった日常消費財ブランドも登場しました。
特別協賛やインタラクティブ広告など、毎年協賛金額が増加しており、スポンサーになるためには資金力が必要になっていますが、新しい企業が次々と参入し、パンデミックによる3~4年の混乱を経て、中国経済が回復してきた様子が伺えます。

1.新エネルギー業界:次世代エネルギーの台頭
2024年の春晩では、新エネルギー業界のスポンサー企業ロゴが至る所で目立ちました。たとえば、小米(シャオミ)自動車「SU7」や広汽伝祺などが登場しました。また、2023年には紅旗の新エネルギー車が注目を集め、司会者の背景には唯一のスポンサー企業ロゴが表示されていました。
2. ソーシャルメディア業界:SNSの新たな寵児「小紅書」
春晩の「小品」(コント)の中で、中国の若年層を中心に広く利用されているSNSで、中国版インスタグラムとも呼ばれる紅書(Red、Redbook)が登場しました。コントのセリフや小道具を通じて、「SNS人気は続いている」という印象が視聴者に印象付けられました。
3.白酒(バイチュウ)業界:需要は依然旺盛
「あの、バイチュウ……」中国ビジネスの話題では、白酒(バイチュウ)がよく取り上げられます。
春晩の広告では、特に白酒の広告が目立ち、そのCMの数も高水準で占めていました。これにより、白酒市場の需要が依然として旺盛であることが視聴者に伝えられました。
古くから人々の生活を潤してきた白酒は、祝祭や会食など多くの場面で楽しまれ、生活や文化の一部として親しまれてきました。
白酒市場は安定的に成長を続けており、その存在感が再認識されていました。
4.新メディア業界:ショート動画とライブ配信市場の盛況
2024年の春晩では、ストリーミングやソーシャルメディアを通じて視聴した割合が過去最高を記録し、テレビ視聴のシェアは20%以下にまで減少しました。このことから、短編動画やライブ配信が引き続き成長するトレンドであることがわかります。
特に、WECHAT(テンセント運営)は「竖屏看春晚」(縦画面で見る春晩)として独占ライブ配信を行い、その視聴回数は4.23億回を記録、3年連続で過去最高を更新しました。

今回は2024年の春晩を参考ましたが、2025年の春晩も同様に広告主の動向や経済トレンドを読み解いてみたいと考えています。2025年の旧正月(春節)の大晦日は1月28日(火)です。
次回は2025年春晩を通じてCMの変化や経済トレンドについての気づきを引き続きお届けできればと考えています。ぜひ、お楽しみにしてください。
Analyzing China’s Economic Trends Through the 2024 Spring Festival Gala Advertisements
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